兜 戦国アバンギャルドとその昇華


2月最初の週末である今日は、静岡県三島市の佐野美術館で開催中の企画展「兜 戦国アバンギャルドとその昇華」を見に行ってきた。



実は「侍トルーパー」世代なので鎧兜も大好きな自分。
「トルーパーは10割よ!」
そんな折り、この催しの開催を知り謳い文句の「アバンギャルド」な部分に大いに惹かれ、ちょっと遠いけど「これは行くしか無い」という訳で来てしまったのである。


当日は大雨の中ひたすら東名を走り、三島には昼前に到着。
昼食を済ました後に佐野美術館に向かうが、雨なのに来場者が多くて駐車場が順番待ちだった。



当然ながら館内は撮影禁止であったのだが、正直言って非常に面白かった。
普通の歴史博物館などでは「誰それ所用の鎧兜」で終わってしまう解説を、アートの見地から、それこそ「アバンギャルド」に解説してあり、非常に面白いのだ。
また、展示されている兜の数々も歴史的価値は勿論、「アート」な点を重視して揃えてあって、まさに見応え充分であった。
特にパンフにもある、蒲生氏郷の「黒漆塗燕尾形兜」(ブラックオックスみたいだ!)や、黒田長政の「黒漆塗桃形大水牛脇立兜」など、本物を初めて見たけど本当に凄い。
他にも伊達政宗のお馴染み三日月兜なんかもあって、非常に濃い時間を過ごす事が出来た。



佐野美術館を後にして、少し時間があるので「沼津市明治史料館」に立ち寄ってみた。
ここには明治時代にあった「沼津兵学校」関連の展示があるのだ。
ちなみに雨だったので、自分以外は小学生の子が1人見ているだけのほぼ貸しきりだった。



当時のポスターも飾ってあったのだが、これは…。
目が怖いんですが、目が。



歴史展示の後は、いきなり古民家がどどーんと屋内に展示してあった。
沼津兵学校の設立に尽力した江原素六という方の家とのことだ。
実はこの史料館は別名「江原素六記念館」でもあり、同氏に関連した資料も数多く展示されていた。



最後はいよいよ沼津兵学校関連の展示へ。


沼津兵学校は明治元年に徳川家によって開校されたフランス式の兵学校だったのだが、明治5年には陸軍兵学校に統合されて廃止になってしまったのだそうだ。
短期間だが非常に高度な教育が実施され、その後の日本の近代化に貢献した人物を何人も輩出している。
当時の教科書とか展示してあったが、確かに非常に詳細でその内容の深さを垣間見る事が出来た。



軍事教練に使われた「ミニエー銃」の銃弾が展示してあった。
ミニエー銃は戊辰戦争では官軍が装備していた最新鋭のライフルで、ゲベール銃中心の幕府軍に対し圧倒的な戦力を誇っていた(と「八重の桜」でやっていた)。
現代の銃と違い薬莢は紙だったらしいが(パトロンと言うらしい)、本物は何気に初めて見たよ。


史料館を出る頃には雨も上がっており、帰りの東名が混まない内に2時過ぎには帰路に着く。
アバンギャルドな兜の数々を堪能し、明治の兵学校の貴重な資料も拝めて、とても充実した三島・沼津遠征であった。
本日の走行距離 337.2キロ、聞いた曲数 79曲。