戦争とカメラ


今日は横浜市民ギャラリーあざみ野で開催中の「平成25年度横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展」の「戦争とカメラ」に行って来た。



横浜市は日本における写真発祥地の一つとして旧いカメラや写真に関する資料を沢山所蔵していて、年に1度コレクション展をこのギャラリーあざみ野で実施しているらしい。
今年のテーマはなんと「戦争とカメラ」だというので、これは是非行かねばと思い立つ。
しかし今週末は先週に引き続き凄い大雪。
これは今週も駄目かなと思っていたが、日曜には大分雪も片付いたようなのでついつい来てしまった訳である。
雪解けの水でビシャビシャの道路を走って会場には昼過ぎに到着。
早速入場するが、入場料は無料で、しかも写真関係のイベントなのに撮影はOKとのこと!
ありがとうっ、横浜市



展示の内容は、戦争とカメラの関わりを戦争の歴史の移り変わりに合わせて紹介するというものだった。
初期の頃は戦地とか写すのは大変だったので、もっぱらポートレートなんかが中心だったらしい。



ともかく貴重なカメラが色々展示してあった。
上は女性報道写真家の草分け、マーガレット・バーク=ホワイト女史愛用の「トロピカル・ソホ」というカメラ。
下はプレス用で有名な「スピードグラフィック」の陸軍通信隊仕様だ。
こんなでかいカメラを持って、しかも戦場を移動するのだから当時はさぞや大変だった事だろう。



自分的に今回一番良かったのが、航空機用のガンカメラのコーナー。
ともかくデザインがミリタリーしていて良いです。
写真の「マークIIIハイス・ガンカメラ」なんか、殆どルイス機関銃だ。



ちなみに写真はこんな風に写るらしい。
レッドバロンよろしく、古き良き時代の空戦のふいんき(←何故か変換出来ない)が出ていてこれも良いです。



そして、我らが旧軍のガンカメラも展示されていた!
その名も「八九式活動写真機銃 改二」!!
ガルパンのバレー部の戦車と同じ、皇紀八九年に正式化されていて、しかも「改二」と来た。
ちなみに製作は六櫻社(今のコニカミノルタ)が手掛けているそうだ。



今で言う「スパイカメラ」の数々も展示されていた。
当時の技術でこれだけ小さくするのは相当大変だったとの事で、発売後は滅茶苦茶流行ったらしい。



こちらは変わり種というより変態的な発想で開発された「ドッペル・シュポルト」というカメラ。
伝書鳩にカメラを括り付け、タイマー撮影すればいいんでね? との考えで作られたらしい。
ちなみに「実用的で無い」ということで不採用だったらしい。



旧軍関係では手持ちの航空カメラも展示されていた。
上は「極小航空機写真機GSK99式」、下は「手持式航空写真機25cm F-8式」というらしい。
無骨ながら、零戦に通ずる日本的なデザインがカメラという目的と合致し、非常に魅力的だ。
ちなみに、こちらも共に六櫻社製だ。



旧軍カメラの脇に、何かデケーのがあると思ったら、何と米軍のU-2用の偵察用カメラだという。
キューバ危機」のあの写真を撮ったのは、まさにこのカメラ(の同型機)だった訳である。



その他にも「航空魚雷用カメラ」とか、核実験撮影用のハイスピードカメラ(写真の右にあるやつ)とか、後半はゲテモノカメラが沢山で、急に楽しい気分になってしまった。


雪のせいか他のお客さんはまばらだったので、わりかしのんびりと見て廻る事が出来て、結局2時間ほど居てしまった。
軍用カメラというちょっと異質なアプローチでの展示だったが、ミリタリー好きな自分としては必要以上に楽しめてとても勉強になり、来て良かった「戦争とカメラ」展であった。
16日の走行距離 171.2キロ、聞いた曲数 53曲。